アリの飼育は思ったよりも面白くなかった

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私はアリを3年飼育しています。

飼育する前はアリのコロニーを飼育することは熱帯魚並に面白くて見てて飽きないんじゃないかと思っていました。
実際に飼育してみるとアリはペットとしての面白みが少ない生き物だなと感じます。

例えば、強いこだわりもなく熱帯魚とアリを飼育するのを迷っている人がいるとしたら、基本的に熱帯魚のほうを私はおすすめします(普通そんな人いないが…)。

今回は、アリの飼育が何故そこまで面白くないのか解説します。
この記事を読んだうえでも、アリ飼育への興味を失わない人はアリを飼うべきでしょう。

ちなみにアリを手放したりする予定は無いです。ペットとして面白くないだけで苦労して育てた愛着と責任感があります。

飼っているアリ

アリの飼育セット
アリを飼っている風景

アリは種類によって生態が異なり面白さも変わります。
そのため参考までに私が飼っているアリを紹介します。

イトウオオアリ

枯れ枝の中などに住むアリ。
3匹の女王アリで一緒に暮らしている。
働きアリのサイズが様々で面白いが、基本小さくて観察し辛い(4mm位)。

ミカドオオアリ

枯れ枝の中などに住むアリ。
サイズが大きいアリ。
大きいので観察し易いが、夜行性なのであまり動いている姿を見ない。

アシナガアリ

土の中などに住むアリ。
足が長くて歩く姿が面白い。
少し肉食性が強い。冬の寒さにやたらと強い。
餌がない場合は巣からあまり出てこない。

クロヤマアリ

公園の土などに住むアリ。
振動に敏感ですぐパニックになるのでめんどくさい。
オーソドックス過ぎて面白い特徴が少ない。

私はこれらの新女王アリが街灯に集まっているところを捕まえて飼育を開始しました。

新女王がコロニーをある程度成長させるまでは楽しい

捕獲した新女王アリが働きアリを徐々に生んでいって、コロニーが形成される姿を見るのは楽しいです。
この頃は、一歩間違えると女王アリも死んでしまったりするので飼育者も必死です。

それ以降は、しっかり飼育していればただ安定して増えていくだけなのでマンネリ化します。

飼育しているアリはあんまり動かない

ライトを当てられて餌場でウロウロし始めたイトウオオアリ達
ライトを当てられて餌場でウロウロし始めたイトウオオアリ達

働きアリの法則と言ったりしますが、アリの9割位は巣の中でじっとしています。
残りの働き者アリはどうかと言うと、餌場のあたりでじっとしています。

多分アリの屋外での行動範囲に比べると飼育キット全体が小さすぎるんでしょうね。
アリは飼育キットの中ではあんまり動きません。面白くないです。

巣を小突いたり、ライト当てたりちょっかいを出すと驚いてアリも騒ぎ始めますが、本来観察したかったことはそういうことなのでしょうか。

飼育用アリの巣は地味

イトウオオアリの飼育セット
ゴテゴテせずシンプルなので飼育キットの中では気に入っています

アリといえば土の中に巣を作るイメージがありますが、アリ飼育では通常土で飼ったりはしません。

なぜなら、アリの巣は汚れがたまるものでそのままにしておくと見た目が汚くなったり、病気になったりします。そのため、たまに巣を新しくしてやる必要がありますが、土を巣をひっくり返してアリを新しい巣に入れ替えしてあげるのはだいぶ骨が折れると思います。

そのため、石膏巣やプラスチック巣など決まった形の巣で育てることが多いです。そうなると、アリが巣を掘ったりすがたを見れないのであまり面白くないです。

ただ、土でアリを育てたとしても半月位ガンガン掘ったら後は変化が少ないはずなのでそんなに面白くないと思います。

餌やりが地味

アリの餌入れ
アリの餌入れに餌を入れてピンセットで餌場に置きます

アリを飼う上で一番楽しいのは餌やりです。

匂いなのか振動なのか餌を置くとアリが出てきたりします。出てこないこともあります。

ただ、そんなに積極的に餌を食べたりしません。少し蜜を吸ったりして巣に帰ったり帰らなかったりします。たまに仲間がワラワラでてくることもありますが、出てこないことも多いです。

次の日になると餌が減っていたり、減ってなかったりします。

活餌は楽しいが

活餌というのは生きている餌です。イモムシなどをアリの餌場にいれるとアリが攻撃して餌として持ち帰ってくれます。

アリが攻撃してる姿を見るのは面白いです。普通の餌よりも美味しいのかワラワラ出てきます。

ただ、相手の強さによってはアリが数匹死ぬことがあります。そして、活餌は寄生虫や感染症のリスクがあるためアリの健康を損なう場合があります。そして、巣が汚れます。

活餌はたまにしかあげません。

行動を目撃するには長い時間が必要

私にはあまり動いているように見えないですが、毎日観察して巣の状況を見ているとアリは結構色々なことをしているようです。

卵を移動させたり、幼虫を餌場に連れて行ったり、繭を巻いたり、餌を持ち帰ったり。
ただ、それを目撃するには長い時間アリを観察する必要があります。

アリの種類によっては夜行性の場合もあり、昼はほとんど活動しないものもいます。そうなると人によっては時間が合わない場合もあるでしょう。

巣が薄暗い

アリは明るいところでも育てられるのですが、あまり明るいとホースの中で暮らし始めたり奇怪なことをし始めます。

暮らせるには暮らせるけど明るいところは嫌いなんだと思います。そのため、多少暗いところで飼育してやろうという気になってきます。

薄暗いと巣の中が見づらくなり観察する気が減ります。
ちなみに、ライトを当てるとどのアリも基本嫌がります。イトウオオアリはお腹を壁に合ってて音を立てながら警戒してきます。

小さいアリほど薄暗いと観察し辛いので大きいアリが良いです。

夏に弱い

これは面白くないポイントではないのですが、アリ飼育のうえで見落としがちな注意ポイントです。

アリは30度を超えるような環境では死んでしまったり、体調不良になってしまうことがあります。そのため、夏場は46時中エアコンがあたっているような環境が必要になります。

アリ飼育をまとめると

アリ飼育の地味さが伝わったでしょうか。

アリの飼育は観葉植物に似ているような気がします。変化を直接観測することは難しいものの、毎日少し観察していると着実になにか変化していっている感じの生き物だと思います。

アリ飼育キット

ちなみに飼育キットは基本ここで買っています。
あり巣 in Underground - https://aliceinunder.theshop.jp/

 

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