硬いアオミドロ(糸状ゴケ)を対策する方法について個人的な経験から解説
アクアリウムで困る物といえコケ。ほとんどのものは割とどうにかなるのですが、アオミドロについては手を焼かされてきたので、情報整理も兼ねて対策方法について色々紹介します。
対処したアオミドロについて
アオミドロと言っても近縁の種が500種ほどいるようです。それぞれ特徴が違い、対処方法も異なることがあり、読者の方が悩んでいるものと違うと良くないので紹介します。
私の家のアオミドロはどこかの通販で買った水草についてきたものです。アクアリウムショップでも非常に似ているものを見かける気がするので日本の水草流通網では一般的な物なのではないかと思っています。
アオミドロというとヌルヌルしててとろろ状のものもいますが、このアオミドロは硬くあまりヌルヌルしていないです。
手で完璧に取り除くのが難しい
大きい集合体になると目立ちますが、一本一本は光のあたり具合によっては見えないようなサイズです。
アオミドロは破片が少しでも残っていると増え始めるので手で対処するのが難しいです
貝はほとんど食べない
石巻貝、ヒメタニシ、カワニナ、レッドラムズホーンなどを飼育しています。
これらの貝は、お腹が減っていてもアオミドロについてはほとんど食べてくれないです。
エビでも食べないもの、食べるものがいる
家ではトゲナシヌマエビ、ミナミヌマエビを主に飼育しているのですが、これらはあまり食べないようでした。
後述しますが、ヤマトヌマエビ、アルジーライムシュリンプは効果がありそうです。
対策編
アオミドロを侵入させない
水槽というのは閉鎖された空間なので侵入させなければ基本的にどんなコケでも繁殖することはありません。
珪藻、藍藻くらいそこら中にあふれている物だとバイオ研究室並の慎重さを持って作業を行わないと防げないとは思いますが、少なくともアオミドロに関しては私の水槽でも慎重に取り扱っている物は肥料を投入しても発生することはありません。
アオミドロが侵入する要因になるものは、ソイル、砂利、水、生物(主に貝)、水草、流木、手、ピンセットなど水槽の中で活用されるすべての物が対象です。
アオミドロは栄養が足りないときや、外敵が多い時はほとんど目に見えない状態で水草の隙間などに挟まっていたりするので、アオミドロがいなそうに見える水槽から物を移して来る時も慎重に考えて作業を行ったほうが良いです。
無菌培養物を除くと、短時間で市販の水草からアオミドロを完全に取り除く確実な方法は無いです。そのため、水草を入れ替えたりする趣味がある人はアオミドロはいずれ水槽に侵入する前提で考えたほうが良いかもしれないです。
アオミドロは定着できないと弱い
まだ小さくて浮遊しているアオミドロは定着できないと、急速に大きくなることができないようです。そのため、定着させないようにすることは効果があるようです。
アオミドロが定着しやすい所はザラザラした所が多いようで、特にウィローモスに定着しやすいです。そのため、流木からウィローモスを剥がしたりザラザラしたものを減らすことでアオミドロの成長をだいぶ抑えることができます。
この性質は後述のプレコなどにも関係しているのではないかと思います。
外部式フィルターがおすすめ
アオミドロは水槽内を漂って拡散するので、それを軽減できるフィルターは重要です。
なるべく吸入部にはスポンジを設置せず、浮遊しているアオミドロがそのままフィルターに吸い込まれるようにしたほうが良いです。
そして、外部式フィルターがおすすめです。
たとえば、外掛けフィルターは光が入りフィルター部でアオミドロが生存できてしまうようです。内部で繁殖したアオミドロは再拡散されます。そして外部式フィルターは複雑な構造をしていることが多いのでフィルター以外にも様々なパーツの隙間にアオミドロが入り込んでしまうようです。
外部式フィルターはフィルター部が暗いためアオミドロが繁殖できません。そして、フィルタ内部が長いのでアオミドロが出口から拡散されづらいです。
アオミドロをフィルター内部に吸い込めず、水槽内の部品が複雑であったり、水槽のライトや外部の光が入ってしまうフィルターは基本的にやめたほうが良さそうです。
ヤマトヌマエビ、アルジーライムシュリンプ
アオミドロは基本的にどのコケ対策生体もそんなに食べないのですが、そんな中でもエビはそれなりに食べるのでおすすめです。
効果が高い種類はヤマトヌマエビとアルジーライムシュリンプの二種です。どちらというとヤマトヌマエビのほうが総合的なコケ処理能力は高いですが、アオミドロ対策についてはアルジーライムシュリンプがおすすめです。
ヤマトヌマエビは微妙にコケをえり好みするようで、歩く先にあるアオミドロを避けたりします。
アルジーライムシュリンプも食べないときは食べないのですが、避けたりはしません。ノッていると結構なスピードで食べてくれます。
エビが気まぐれに食べたりする理由ですが、アオミドロを食べているというよりもアオミドロに付着している微生物を食べるついでにアオミドロを食べている感じなのではないかと思います。
生体のいない水槽で少し置いておいたアオミドロをエビがいる水槽に入れると即座に群がってきて数分で食べ切ってくれることがあります。しかし、水槽内で食べ残されたアオミドロは食べきるまで結構時間がかかります。
多分、アオミドロに付着した微生物を大体食べてしまって美味しく無くなったのだと思います。
TIPS: 複数種エビの混泳は基本的にどの種でもやめたほうが良い
複数種のヌマエビを同じ水槽にいれても、あまり他種に干渉しないように見えるので問題なさそうに見えるのですが、穏健な種でも地味に他種のエビを攻撃します。そのため、力が弱い種類のエビから徐々に数が減っていきます。
そして、アルジーライムシュリンプはミナミヌマエビやチェリーシュリンプと交雑してしまいます。コケ取り能力も落ちてしまうのでエビの混泳は避けたほうが良いです。
水槽内のヌマエビは一種に統一しましょう。
プレコ
プレコはほとんどアオミドロを食べません。ただ、プレコがいなくなった水槽で数カ月後に突然アオミドロが繁殖し始めたことを何回か経験したことがあります。そのため、プレコはアオミドロ対策では重要な生体だと思います。
推測では先で説明した"アオミドロは定着できないと弱い"問題と関連が深いのではないかと推測しています。
プレコは流木や水草、ガラス面などを積極的に舐め回します。そうすると、浮遊しているアオミドロはなかなか定着することができません。
定着できないアオミドロは大きく成長することができなくなります。
サイアミーズフライングフォックス
サイアミーズフライングフォックスは気まぐれに細長い植物性の物に噛みついて食べる癖があるようです。そのため、アオミドロを結構な量食べることがあります。
ただ、無理してまで食べるようなものではないようで、サイアミーズフライングフォックスが泳ぎやすいスペースに食べやすい感じに生えているアオミドロじゃないと食べません。
餌をあげすぎるとすぐコケを食べなるので餌はあまりあげないほうが良いです(食べ過ぎでお腹が膨らまない位に調整)。
サイアミーズフライングフォックスはそれなりに気性が荒い面があるトラブルメーカーでもあり、大きくなるほどにその傾向が強くなるので導入は慎重に検討したほうが良いです。
人手でアオミドロを取る
やはりアオミドロ自体を喜んで食べる生体はいないようです。今まで挙げた生体もアオミドロを減らすというよりは、成長を抑えたり、発生を予防したりする面が強いです。
そのため、アオミドロ対策の生体がアオミドロを食べる傍ら、水槽が安定するまではそれなりの頻度人手でアオミドロを取ることが重要になります。
まとめ
アオミドロ対策には下記の3つがおすすめです。
- 外部式フィルターをガンガン回す
- ヤマトヌマエビ or アルジーライムシュリンプを投入する
- プレコを投入する
上記を行ったうえで人手で取るのが重要です。