大容量回線ソフトバンク光10GでIPv6,IPv4の自宅サーバ運用をしてみた

公開日:

ソフトバンク光10Gを契約しました。このプランはなんと最大10Gbpsの転送速度インターネットにアクセスできる仕組みになっています。

実際には計測した感じだと3Gbps程度しか出ないのですが、多少お金を追加するだけで1Gbps超えできるので満足しています。

自宅サーバを運用したい

自宅サーバといっても不特定多数の人にサービスを提供するようなものすごい物ではありません。

私は、外からNAS(ファイルサーバ)にアクセスしたり、知り合いと遊ぶゲームサーバなどの用途で自宅サーバを運用することが多いです。

Project Zomboidのゲームサーバを立てる方法 - 塩の惑星

多くのプロバイダーは自宅サーバを運用できるのですが、場合によっては難しい場合があります。

このような感じを目指したい

色々あったのですが最終的には上記の様な形にすることができました。

ソフトバンク光10GはIPv6接続のみだった

インターネット接続方式にはIPv4という旧来方式と、IPv6という新しい方法があります。

IPv4のサーバにはIPv6、IPv4の回線を使っている人がアクセスできるのですが、IPv6のサーバにはIPv4の回線を使っている人はアクセスすることができません。

現在、IPv6に対応した回線は普及していないのでサーバ運用を行うにはIPv4のほうが断然便利です。

完全に調査不足だったのですがソフトバンク光10GはIPv6のみでインターネットに接続しているようでした。

IPv6のみのインターネットの回線の場合基本的にIPv6アドレスでサーバ運用することになります。
IPv6はそこまで普及していないので、外からアクセスすることが難しくなります(喫茶店のwifiなどがIPv6に対応してない)。

PPPoE接続(IPv4)はできなかった

10Gではない通常のソフトバンク光もIPv6ですがPPPoEという接続方法を使うことでIPv4だけでインターネットに接続ができるようです。

ホームゲートウェイ(N)のユーザー認証設定(PPPoE)をする

ただ、試してみたものの接続できませんでした。ソフトバンク光10GはPPPoEに対応してないのではないかと思います(多分通常のソフトバンク光と回線の提供方法が違う)。

運良くIPv4専有のMAP-Eだった

本来、IPv6とIPv4は相互に接続できない技術なのですが、それだと困るのでIPv6からIPv4のインターネットにアクセスするための技術がいくつかあります。

  • DS-Lite (サーバ運用は絶望的)
  • MAP-E(サーバ運用ができるが専有じゃない場合は癖がある)

このような技術のなかでもソフトバンク光10GはMAP-Eという技術を使用しているようです。

このMAP-EはシンプルにIPv4の通信をホームゲートウェイに中継してくれるので、残りの制御はONU側で実施します。

ソフトバンク10GのIPoEのMAP-Eについての図

ソフトバンク光10GはMAP-Eの中でもIPv4アドレスをまるまる専有させてくれる方式でした、そのため細かい事を無視するとIPv4、IPv6両方のアドレスがホームゲートウェイに振られている、デュアルスタックに近い状態です。

なので、割り当てられたIPv4アドレスに対してポート開放やNAT設定もホームゲートウェイ側で実施することができます。

当初IPv6で絶望しかけてましたが一転ソフトバンク光良いじゃんと思いました。

余談: MAP-Eだけど専有じゃないプロバイダ

同じMAP-E方式でも専有ではないプロバイダが存在します。

専有ではない場合一つのIPアドレスを複数人で使用します(最近ではNUROもこの方式に移行中とか)。

この方法では一つのIPに紐づいた6万程度のポートをいくつかに分割して、分割したポート事に人に割当を行い。MAP-Eはポートを見て通信をホームゲートウェイに送る方法です

このようなプロバイダでもサーバ運用はできなくはないのですが、ポートの割り振り方法を解析するのが難しく、うまくわかったとしても設定したいポートが使えない可能性が高かったりして使いづらいです。

まとめ

ソフトバンク光10Gはまあまあ快適に自宅サーバ運用ができる!

家電量販店の割引に目がくらんでソフトバンク光10Gに迂闊に契約してしまい、一時はIPv6周りで苦しんだのですが、サーバ運用という意味では良い結果になったのと勉強になりました。

もしも、幅広い選択肢と金銭的な余裕があった上で、サーバ運用を検討しているのであれば、サーバ運用専門のプロバイダを選ぶのが一番良いと思います。

10Gの通常回線でサーバを軽く運用したい場合、IPv6とIPv4のデュアルスタック運用のau光などが面倒が無いかもしれないです。

ただ、その他の選択肢でIPv6(IPoEという方式で回線速度が早い)とIPv4の利便性を享受したいと考えたときソフトバンク光10Gはだいぶ良いかもしれないです。

おまけ:ソフトバンク光の詳細あたり

一応、MAP-EでのNATの設定方法や、IPv6アドレスの割当など回線の詳細情報を載せておきます。

IPアドレスの固定まわり

ソフトバンク光10Gは本格的なサーバ運用者向けの回線ではないのでIPアドレスの完全固定はできないのですが、IPv6、IPv4ともにホームゲートウェイが起動している間は変わらないようです(短時間の再起動でも変更されない)。

数ヶ月使っていますが今のところ変わっていません。

IPv6アドレスの割当

IPv6アドレスの割当ですが/56でした。

ソフトバンク光のMAP-Eアドレス

IPv4アドレス専有なのでMAP-Eアドレスは非常にシンプルです。
割り当てられたサブネットアドレスの後ろにIPv4アドレスを16進数に変換した物がくっつきます。

たとえば2001:db8:3333:4444というサブネットに対して1.1.1.1というアドレスを専有している場合こんな感じです。

2001:db8:3333:4444:0101:0101:0100:0000

MAP-E周りの設定方法紹介

私はソフトバンクからXG-100NEというホームゲートウェイルーターをもらったので、それでMAP-E周りの設定を行う方法を紹介します。

このルータを設定変更する場合は、通常http://ntt.setupやルータに割り当てたIPアドレスにアクセスすることで管理画面にアクセスできると思います。

ただ、MAP-E周りの設定画面にはここからアクセスすることができません。

http://ntt.setup:8888/t/

このアドレスでアクセスするとONUに内蔵されたソフトバンク光の管理画面にアクセスすることができます。

この管理画面の中の静的マスカレード設定というところを設定することで、MAP-E経由で来た特定ポート宛の通信を固定したサーバに送ることができるようになります。

たとえば、80ポートと443ポートを固定してやるとWebサーバを運用できるようになります。

 

 

更新日: