ATOK日本語入力はクラウド機能を使ってもGoogle日本語入力に勝てなかった話

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Google日本語入力は専門用語、ゲーム用語、インターネット用語などを変換することに高い能力を持つ無料のIME(日本語などの入力ツール)です。

このIMEはGoogle検索などで得た情報を使って収録単語を増やす特徴があり、世間で流行っている用語が反映される速度が非常に速い特徴があります。

ただ、日本語を正しく変換する能力は若干低く、送り仮名などが上手く変換できない場合があること、堅い文章を書く際にフランクな変換が行われることがある所が気になっていました。

Google日本語入力並みの圧倒的な単語収録数があり、日本語を正しく変換できるIMEはないかと思い調べるとATOKという有料のIMEがヒットしました。

ATOKは日本語入力の精度が高い特徴があり、ATOK Expressというクラウド機能で大量の用語を日々IMEに反映してくれるようです。

早速、ATOKを購入してクラウド機能でGoogle日本語入力の単語収録数に対抗できるか調査を行いました。

ATOKとは

今では、ATOKの名前を知っている人はあまりいないと思います。

私自身も詳しく知らない世代なのですが、パーソナルコンピュータ初期から存在する高品質な有料IMEです。

かつてはOSに標準搭載されているIMEの変換精度が低かったため、ATOKのような品質の高いIMEの需要が高かったようです。

しかし現在では、WindowsやMacに標準搭載されたIMEでも、それなりの変換精度があります。そのため、ATOKは知る人ぞ知るIMEになってしまいました。

とはいえ、ATOKは日本語入力に特化した日本企業が作っているソフトであり、現在でも非常に高い日本語入力精度を誇ります。

そのため、日本語の表現にこだわる方には、今でもATOKを使うのがおすすめできます。

今回の検証は、収録されている単語に焦点を当てるため、日本語の表現などについては対象外とします。

ATOKの料金

ATOKはサブスクリプションモデルになっています。

このプランには月額600円のプロフェッショナルと月額300円のベーシックコースがあります。どちらでも10台までATOKをインストールすることができます。

追加してプロフェッショナルでは下記の機能がベーシック使えます。

  • iOS版のATOK
  • クラウド文章校正というWebサービス
  • IMEの辞書機能(多分変換中に定義を教えてくれるやつ)
  • 辞書の見出し語を変換対象にできる(厳しい熟語とか)

辞書機能は広辞苑や大辞林などの辞書として使えるようです。しかし、出版業界などで本格的な日本語を書くような人でなければどの機能も必要ないので、基本的に300円のベーシックコースをおすすめします。

300 * 12ヶ月 = 3600円
毎日使うものだと考えると大した金額ではないですね。

流行り言葉を変換する

Google日本語入力とATOKの比較を行います。一部、Mac標準IMEとの比較も行います。

それぞれのIMEで変換学習機能を無効化して検証を行っています。

アニメ、ソシャゲ、野球、アイドル、社会問題、工学、哲学などの分野で調査しました。(2023年11月の調査)

水星の魔女

2022年にやっていたアニメのタイトルです。

IME変換予測変換
ATOK変換できた🎉予測されなかった😰
Google日本語入力変換できた🎉予測された🎉
Mac標準変換できるが、固有名詞として認識していない 

水星の魔女以外にもいろいろなアニメや登場人物などを変換してみましたが、Google日本語入力の方が強い傾向がありました。

無期迷途 (むきめいと)

難読ソシャゲタイトルですね。

IME変換予測変換
ATOK変換できず😰 
Google日本語入力変換できた🎉予測された🎉
Mac標準変換できず😰 
さすがGoogle日本語入力ですね。
一応、無期と迷途(めいと)はそれぞれ日本語の熟語なので、日本に強いATOKならなんとか変換できるかと思ったのですが無理そうでした。

下村 海翔 (しもむら かいと)

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2023年の野球ドラフト選手の中から名前を読みづらそうな人物を選びました。

IME変換予測変換
ATOK変換できた🎉予測された🎉
Google日本語入力変換できなかった😰 
Mac標準変換できず😰 

他にも検証を行った所、スポーツ選手はATOKの方が強い傾向があるようです。

井上和(いのうえなぎ)

2023年人気アイドルグループの乃木坂46から読みづらそうなアイドルを選びました。

IME変換予測変換
ATOK変換できた🎉予測された🎉
Google日本語入力変換できなかった😰 

こちらでもATOKの勝利です。

ちなみに同じアイドルグループの池田瑛紗という名前はどちらのIMEも変換できませんでした。

ATOKが得意なもの、Google日本語変換が得意なものの違いが見えてきた気がします。

配属ガチャ(はいぞくがちゃ)

Wikipediaのインターネットスラング関連ページからピックアップしました。

IME変換予測変換
ATOK変換できなかった😰 
Google日本語入力変換できた🎉予測された🎉

Wikipediaに載る程度のインターネットスラングだとATOKで変換できるものもあるのですが、Google日本語入力の方が変換できる単語の種類が多いようでした。

ニュース関連の単語はGoogle日本語入力の方が強かった

センシティブな話題が多いので具体例は紹介しませんが、ニュースや新書に載るような社会問題系の単語はGoogle日本語入力のほうが強いようでした。

工学、哲学、生物など専門分野に関する用語はGoogle日本語入力が圧倒的に強かった

数理最適化の本、ベイズ統計学の本、利己的な遺伝子、純粋理性批判などの本を開いて適当に見かけた熟語を入れて変換できるか試していったのですが圧倒的にGoogle日本語入力が強いようでした。

推測するにGoogle日本語入力は大学で学ぶような専門用語に強い傾向がありそうです。

まとめ

各種IMEについて調査したまとめです。

Mac標準のIME

Mac標準のIMEはクラウド機能が存在しないので単語集録数が少なく、ATOKとGoogle日本語入力に全く歯が立たないようでした。

Google日本語入力

ATOKとの比較で下記のような強みが存在します。

  • 大学で勉強するような専門用語の変換で圧倒的な能力を持つ
  • 流行のアニメ、ソーシャルゲームの用語に強い
  • 流行のネットスラングにそれなりに強い
  • スポーツやアイドルには弱い

ATOK

スポーツやアイドルなどの分野では、Google日本語入力よりも変換できる単語が多いです。そのため、テレビなどのマスメディアで流行している言葉に強いのではないかと考えられます。

これは推測ですが、ATOKは出版や報道などの業界に特化して作られているのかもしれません。

収録単語数に対する結論

総合的に見るとGoogle日本語入力の方が単語を変換する能力が高いようでした。

※ あくまでも収録単語の話で日本語の入力精度はATOKのほうが上です

感想

専門用語が多く、日本語の精度はそこまでこだわらない。私の利用用途ではGoogle日本語入力の方が快適に文章が書けそうです。

振り返ってみると、ATOKでは変換が一発で決まることが少なく息苦しさがありました。

変換能力以外の点で、ATOKは用途がわかりづらいウィンドウがマウスの周りに登場したりして邪魔です。そして、Windows版のインターフェースがダサいところが気になります(Mac版はそれなりです)。

せっかく契約したので数ヶ月ほどATOKを使ってみようと思うのですが、最終的にはGoogle日本語入力に戻りそうです。

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